最近依頼が多くなってきているzoomからYouTubeへ同時配信を行い、タイムシフト再生ができるシステム。
Webセミナーならではのメリットで講演会が開始して少し時間が経って入室してきた人が、動画配信サービスの視聴ページで最初から講演会の内容が確認できる。
今回はスタンダートなzoomからYouTubeへの同時配信のやり方を記事にしていく。
メモ
下の方で解説するけど、設定中に出てくる
「カスタムストリーミングサービスでは配信時に認証が必要です」
この難解な文面の設定項目についても解説していく。
最後まで読んでくれたら嬉しい!
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目次(クリックで移動できます)
カスタムライブ配信準備
まず他の動画配信サービスに同時配信を行う場合はホストとなるアカウントが
有償アカウント(プロ・ビジネス)
であることが前提となる。
今回はYouTubeに配信することを前提にしているので
YouTubeアカウント(Googleアカウント)
が必要になる。
加えてYouTubeアカウントは
ライブ配信が有効化
されているアカウントを用意しよう。
Google・YouTubeアカウントの習得についてはほとんどの人はアカウントを習得していると思うので、割愛する。
ネット環境について
zoomとYouTubeを同時配信する関係で現場のネット回線は共用回線ではなく、専用回線で用意してもらおう。有線LANで。
さらにアップロード・ダウンロードともに50Mbps以上でPING、JITTER値が低いネット回線を使用することをおすすめする。
下の記事を参考にしてほしい。
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zoomのライブストリーミング配信を有効化する
まずはzoomの設定。
僕たちは「カスタムライブストリーミング配信」でYouTubeへ同時配信を行う。
上記の画像の通り「YouTube」という項目があるけどこの項目は使用しない。
「YouTube」の項目を選んでしまうとウェビナーをスタートした瞬間にYouTube側も配信が始まってしまう。
実践セッションを有効にしていても問答無用でYouTube側がスタートしてしまうので、リハーサルの様子が配信されてクレームになってしまう。
低クオリティの同時配信にならないように「カスタムライブストリーミング配信」を使用する。
詳しいことは下記でも記載しているから最後まで読んでほしい。
これでzoomのライブ配信機能が有効になった。
ここからはYouTube側の設定も合わせての解説となる。
上記画像の「カスタムストリーミングサービスを設定」をクリックすると下記のように表示される。
ここでチェックを入れる項目については下で記載するからそちらを確認してほしい。チェックは必ず入れておこう。
ここにYouTube側の配信設定を入力していく。
YouTubeの配信設定
まずはYouTube側でライブ配信をスケジュールしよう。
メモ
「エンコーダ配信」から配信しないように注意しよう。
下に出てくる「自動スタート・ストップ」機能が使えないから。
zoomのカスタムストリーミングサービスに入力する項目
zoomの配信設定に入力する項目を赤枠で囲っている。
・「ストリームURL」
・「ストリームキー」
をコピーしてzoom側のカスタムストリーミング設定に入力しよう。
「ライブストリーム配信ページのURL」については下の画像の手順で確認、URLをコピーしよう。
YouTube側の必須配信設定
上の画像にも記載しているけど、必須のYouTube配信設定で
・「自動スタートを有効にする」
・「自動ストップを有効にする」
この2つの項目には必ずチェックを外すようにしよう。
YouTube配信になれている人はわかるかもだけど、ここにチェックが入っていると、zoom側のカスタムライブ配信を開始した瞬間に
YouTubeの配信も始まってしまう。
zoom側のカスタムライブ配信を開始しなかったらいいじゃんと思うかもしれないけど、
保険の為、YouTube側の自動スタート・ストップもOFFにしておいて手動で配信開始するようにしよう。
「DVRを有効にする」
ここは必ずチェックを入れよう。
メモ
画面の下に隠れているけど、「遅延」は低遅延、「アーカイブを限定公開にする」にチェックを入れることが多い。
「ライブストリーム配信ページのURL」については下の画像の手順で確認、URLをコピーしよう。
配信先URLとなるので正常に配信できているか確認する場合は、ここのURLからアクセスしよう。
zoomに入力する項目をすべて入力すると
こんな感じになる。
事前準備は以上となる。
YouTubeの配信動画URLを事前配布する場合は、早い段階でzoomの配信設定やYouTubeの配信動画ページの作成が必要になってくる。
基本的にクライアントのアカウントを使うことになると思うから、
クライアントと連携してYouTubeとzoomの設定しないといけない。
この記事を読んで、事前準備のミスがないようにしよう。
zoomアプリでの操作方法
事前準備ができたので今度は本番のオペレーションについて解説していく。
ウェビナー開始後の画面が下の画像。
詳細タブから「ライブ中 カスタムライブストリーム配信」をクリックするとブラウザが立ち上がってこのように表示される。
ここで上記に出てきたチェック項目についてだけど、
「カスタムストリーミングサービスでは配信時に認証が必要です」
この書き方はzoomさん、ちょっと不親切。
もう少しわかりやすい文面にするか、補足アイコンなど付けてほしい。
これはRTMP通信に対応していない配信サービスに同時配信する場合、ユーザー名とパスワードを入力しない限り視聴ができない設定。
RTMP通信について
アップロードする内容を常に暗号化してサーバーに送る通信方法のこと。
ポイント
YouTubeはユーザー名とパスワードの入力は必要ないので安心してほしい。
YouTubeはRTMP通信に対応しているからユーザー名、パスワード入力画面も表示されないし、
動画リンクをクリックするとすぐに動画を視聴できる。
このチェック項目は最近のアップデートで表示されるようになった。
配信現場ではいつもこの項目にチェックをいれてYouTubeに配信しているから確かな情報として安心してほしい。
ちなみにzoomが下記のような発言をしている。
YouTube側の配信スタートはYouTubeの配信管理画面で行うからzoom側のライブストリームを開始しても問題はない。
念の為、YouTube側で「自動スタート」が無効になっていることを確認してから「Go Live」ボタンをクリックしよう。
「Go Live」をクリックするとzoomアプリの左上に赤文字アイコンで「LIVE」と表示される。
これでYouTubeに映像・音声を送っていることになるので、目印として覚えておこう。
「Go Live」をクリックしたら次はYou Tube側の配信設定画面を確認しよう。
zoomから正常に映像・音声がYouTube側に届いている場合、YouTube配信管理画面の右上の「ライブ配信を開始」ボタンが点灯する。
左上の配信プレビューに今どんな映像と音声が来ているか確認ができる。
(サーバー経由の映像・音声なので30秒くらい遅れて再生される)
プレビュー画面に表示される映像と音声を確認し、不具合がないことを確認しよう。
問題がなければ、いつでもYouTubeの配信がスタートできる。
メモ
配信管理画面、左上プレビューは独立してアップロードされている映像・音声を確認できる仕様となっている
プレビュー画面に表示される映像・音声がそのままYouTubeに配信されるので各現場で配信を開始する前にこのプレビュー画面でチェックを行おう
本番時間になったら「ライブ配信を開始」ボタンをクリックしてYouTubeの配信をスタートしよう。
これでzoomとYouTube同時配信がスタートする。
ちなみに下記が視聴者が見ている画面。
zoomのロゴ表示は消せないのでクライアントに言われても無理ですと伝えよう。
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まとめ
タイムシフト再生をしてほしいという依頼が日々増えてきている。
自社サーバーを所有していれば、もう少し楽にライブストリーミング配信ができると思うけど、
zoomの付属機能で同じようなことができるなら、代用したほうが現場費用も安くできるし、外注業者にサーバーを借りなくてよくなる。
その分、段取りや確認項目が多くなるから、毎回大変だけど。
ちなみに、タイムシフト再生がある場合は3人以上でオペレーションすることが多い。
1人目 | 映像・音声スイッチング |
2人目 | zoomホストPC管理 |
3人目 | You Tube配信管理 |
(4人目) | (ステージ転換等) |
さらに仕込み時間もいつもは2時間30分で確保しているけど3時間くらい見ておいた方がいい。
1人がライブストリーミング配信の設定に付きっきりになるし。
色々解説して「めっちゃ大変じゃん」って思う人もいると思うけど、
うまく運用できれば、クライアントから喜ばれる。
設定や運用が大変だけど配信の幅を広げるためにチャレンジしてみよう!
UWSCというチャット自動化ソフトを使えばさらに配信の幅が広がる。
下の動画を参考にしてもらえればと思う。
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