今回はタイトルの通りなのだけど、
2021年9月に発売された
Roland V02HD mk Ⅱを数ヶ月現場で使用して感じたことを記事にしていこうと思う。
目次
結論、予備として1台は所有しておきたい
早速結論から入って申し訳ないのだけど
配信の仕事をするなら、かなりおすすめできる機材となっている。
1台は予備として所有しておきたい機材というのが正直な感想。
実際に現場でどんな使い方をしたか記載してみる。
- キャプチャーボードとして
- HDMI分配器として(収録OUTとメインOUT)
- プロジェクター用エミュレーターとして
- テロップまたはレイヤー合成として
- 単純にHDMIスイッチャーとして
価格が5万円弱だけど、金額に対してできることがかなり多いし
国内メーカー、プロ機材なので妥協している項目が見当たらない。
ありきたりだけどコストパフォーマンスがかなり高い機材だと感じる。
細かい内容は下に記載していく。
キャプチャーボードとして
一番使うシーンとしては
キャプチャーボードデバイスとして使うことが多い。
下の記事でも紹介しているけど、
Roland社のキャプチャーデバイスはかなり安定して使用できる部類に入る。
V-02HD mk ⅡはUVCに対応しているので、
別途ドライバーのインストールが必要なく
USB3.0以上のケーブルで接続すれば
キャプチャーデバイスとして認識してくれる。
現場をこなしていると
普段使用しているキャプチャーボードが
お客さんの持ち込んでくるパソコンと相性が悪く
パソコンの挙動がおかしくなることがある。
挙動がおかしいパソコンでもV02HD mark Ⅱ に入れ替えると
問題なくキャプチャーしてくれるケースが多い。
注意してほしい点として、
zoomにキャプチャーデバイスとして使用する場合、
キャプチャー画面がうまく表示されないことがある。
注意ポイント
USB OUTが圧縮されている際に起こる原因
こちらもCHECK
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【zoomウェビナー】キャプチャーボードや配信スイッチャーを使う際の注意点
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圧縮率の変更は
本体をVer1.04以上にすればUSB OUTを非圧縮に変更できる。
本体メニュー → VIDEO OUTPUT → USB OUT → OUTPUT FORMAT
の項目から設定可能で、
デフォルトは「YUY2 MPEG2」(圧縮)となっているから、
VALUEつまみを回して「YUY2」(非圧縮)に変更しよう。
これできれいなキャプチャー画面になる。
ぜひ試してみてほしい。
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1080p 60fpsでキャプチャーできるのも嬉しい。
Roland社のキャプチャーデバイスで
60fpsでキャプチャーできる機材はUVC-01以外は
高額な機種が多いので手の届く範囲で、
60fpsキャプチャーは財布的にも嬉しい。
USBケーブルは下の製品がおすすめ。
HDMI分配器として(収録OUTとメインOUT)
プレビューOUTをプログラムOUTに変更できるので
単純にHDMI分配器として使用できる。
下のような感じ。
当然音声エンベットも問題なく出力してくれるから、
1台はメインプロジェクター出力、もう1台はHDMI収録機に使用する。
プレビューOUTのレベルメーターとレーベルは
設定から消すことができるからクリーンな映像出力が可能。
HDMI入力にはINPUT SHARE機能もあるので、
INPUT 1chに接続している映像をINPUT 2chに共有できる。
さらにパネルロックをしてしまえば、
機材に触ってしまい映像が変わるなどのミスもないので安心。
ただ接続する前に
すべての設定をしておかないといけないから
そこは手間がかかる。
本来の使用用途はスイッチャーだから割り切ろう。
USB出力が余っているなら
iPadリモートアプリで管理やメーター管理ができる。
USB接続されているパソコンでも制御も可能だ。
ソフトを使っての制御まで一般の人は覚えなくていいと
思うから一旦割愛する。
プロのオペレーターは制御用で使う事が多い。
機会があれば記事にしていこうと思う。
HDMI出力とUSBストリーミング出力も合わせると
3出力の分配機としての使用が可能だ。
プロジェクター用エミュレーターとして
エミュレーターってなにと思うかもだけど
簡単に言えばエミュレーターは
ポイント
一定の解像度で出力し続けてくれる機能。
下の図を見てもらえればわかりやすいかも。
使用例としては
講演者の入れ替わりが多いセミナーや学会で
講演者パソコンからの映像回線の整合性をとるために
メインスイッチャーの前段に入れて
出力解像度を一定にするという使い方をする。
他にはプロジェクターの前段に入れて
メインスイッチャーの出力は1080p
V02HD mk Ⅱ の出力はWUXGA(1920×1200)
一定の解像度で
プロジェクターに出力し続ける際に使ったりもする。
ポイント
スイッチャーが16:9の解像度しか設定できない場合に
アスペクト比を4:3や16:10に変換できる
このように映像現場で
整合性を取ってくれるので
大きな学会などでの運用も見込める。
テロップ又はレイヤー合成として
カメラスイッチャーとして使用することも多い。
カメラ2台を接続してメインスイッチャーの
入力を節約したり、
V02HD mk Ⅱ本体で
- P in P合成
- クロマ・ルミナンスキー
- モザイク等のVFX
- イメージキャプチャー
など合成から画面キャプチャーまで行うことができる。
下はP in P合成
下はDSK合成(テロップ合成)
画面キャプチャしてStill imageに保存しておくと
配信画面の蓋絵として使用できたり、
テロップを保存しておくと、
テロップパソコンなしで画面合成ができたりする。
各機能、
細かく設定できるからプロの現場でも十分使用できる。
音声も細かく設定可能
本体に3.5mmマイク入力が2系統搭載されている。
下のようなピンワイヤレスを使用してもいいし、
下のような音響ミキサー出力を入力してもOK
インピーダンスは問題ないので、
歪むこともない。
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参考【音響機材】配信で使える音響ミキサーを紹介!
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各3.5mm入力にヘッドアンプを搭載しているので
マイクゲインの持ち上げも可能。
さらに
- イコライザー(ハイパスも)
- リミッター
- コンプレッサー
- リバーブやディレイ
- ノイズゲート
- ボイスチャンジャー
上記の機能が搭載されている。
イコライザーは3バンドの可変パラメトリックなので
音質の微調整がしやすい。
音声出力にも同じように3バンドイコライザーが搭載されているので
会場スピーカーがハウリングする場合は
V02HD mk Ⅱ のヘッドホン出力から
調整済みの音声を会場に渡してもOK。
HDMI 音声も同様に調整可能で
上でも記載したけど、
HDMI 映像出力に3.5mm 音声入力の音声も
エンベットできるので、
現場での対応力が上がる。
使用レビュー動画(YouTube)
実機紹介動画を作成してみたので、
どんな使用感なのか、設定はどこまでできるのか等実際に見て確認してほしい。