配信現場の依頼を受ける中で、月に数回インターネット設備のない会場でWebセミナーを行いたいと依頼がくる。
病院の院内会議室だとインターネット設備がIPアドレスやアクセス権限を持っている人でないとインターネット通信が使用できない。
クライアントにネット設備のある会場に変更してくださいと強く言えないので、ネット設備のない会場で配信を行う場合は下記のような通信機材を使用している。
下記がAmazon製品リンク
日本代理店については下記を参照
UBRーLTEの特徴
どのような機材かをざっくり記載する
携帯会社のSIMカードをこのルーターに装着し、キャリアの電波でネット通信を行うという機材。
ボンディング通信を行うことで複数のSIMカードを使用し、安定した通信ができる。
ボンディング通信とは複数のSIMを束ねて通信を安定させ、かつ速度も上げることができる技術のこと。
下記のような通信イメージとなる。
ボンディング通信を行う場合、ネットの対向側(ネット固定回線のサーバー側)ボンディング通信を解く機材が必要となってくる。
下記のようなイメージ。
ただ配信現場の度にサーバー側に別途機材を設置して、都度設定する時間も場所もないと思う。
サーバー側に専用機材を設置しなくてもネット通信ができるメーカー公式クラウドサーバーサービスが提供されている。
クラウドサーバーサービス
Speed Fusion Cloud
https://caso.co.jp/solution/speedfusion.html
Speed Fusion管理ソフト
InControl 2
https://caso.co.jp/solution/incontrol2.html
ここまで読んでなにがなんだかわからない方に関しては
Speed Fusion Cloudの容量2.5TB・通信速度200Mbps・365日有効のクラウドプラン Dを一緒に契約することをおすすめする。
2021年6月現在で$80なので日本円で9000円くらい。
UBRーLTEの本体代金が11万円なので合計12万(税抜)くらいとなる。
UBRーLTE等はAmazonで購入できるけど、クラウドサーバーサービスは上記サイトから担当者に問い合わせて導入する流れとなる。
導入までが少し手間がかかるけど、配信現場では心強い機材として運用できるので、導入まで頑張ってほしい。
4枚のSIMカードを装着可能
UBRーLTEに関しては、2枚のSIMカードがアクティブ通信しており、残りの2枚がスタンバイ状態でアクティブの2枚が不安定になった際に切り替わる感じ。
僕たちはdocomo・Softbank・KDDIのSIMカードを使用し現場で使用している。
KDDIに関してはモバイルWi-Fiを使用し、UBRーLTEの本体設定からWi-Fiを第3のネット回線として設定をしている。
ちなみに設定すれば普通のWi-Fiルーターのような使い方もできる。これはまた別の記事で解説していこうと思う。
通信の契約については下記のような契約を行っている
メーカー | 容量 | 更新期間 |
docomo | 30GB | 1月更新(月初更新) |
Softbank | 10GB | プリペイド(使い切り) |
KDDI | 無制限 | WiMAX(Wi-Fi運用) |
本体代の他にキャリア契約費用が上乗せされる。
1ヶ月のランニングコストも考えて、すこし高いかもだけど4万円くらいでレンタル価格を設定するといいかも。
(キャリアのランニングコスト込)
ちなみにプリペイドSIMカードは下記を使用している。
Softbank 日本 プリペイドSIM 10GB 4GLTE対応 最大6ヶ月間有効
通信速度・現場での使用感
僕たちは近畿圏の業者なので、大阪市内や京都市内で使用することが多い。
市街地やキャリアの電波塔の近くだと平均で30Mbpsは安定して通信している印象。
下記が通信状況の様子。
注意ポイント
ボンディング通信はブラウザのSpeedtest(USEN Speed、Fast.comとか)で計測しても適正な数値は表示されない。
上り下り15Mbpsくらいで毎回表示される。
上記のような専用の管理画面からしか適正な数値を確認できないので、注意してほしい。
このあたりも後日記事にしていく。
当然携帯の電波で通信するから、キャリア通信が混雑している場合や、山奥等の電話状況のよくない場所に関しては10Mbps以下になることがある。
例えば下記みたいな場所では実際に10Mbps以下まで落ちた。
可能な限り窓際に寄せたり、外に出したりしてなんとか回復したけど。
今までで通信が安定しなかった場所
・地方の山奥にある旅館で配信した時
・ホテル内にある窓がまったくないチャペルの中
・サーバールームや病院の院内会議室のような電波が多く飛び交っている場所
これまで数十回使用しているけど、通信が落ちることや本体の不具合等はまったく起こっていない。
「ボンディング通信は安定しない」って言う人がいるけど、
レンタル元のSIMカードの管理の仕方、ボンディングルーターやボンディングCloudが適正に設定されていないからだと思う。
ちゃんと理解して運用すれば非常に頼りになる機材。
クライアントからの機材の信頼もあってか最近では月に4〜5件ほどUBRーLTEのレンタル依頼を頂く。
YouTube配信等であればLIVE U等が使いやすいと思うけど、僕たちみたいなZoomウェビナーを使用したWebセミナー運用を行う業者として機材選定して間違いなかったと日々感じている。
まとめ
導入までの段取りや設定がすこし手間だけどこれをもっていれば、ネット環境のない会場でも問題なく配信ができる。
UBRーLTEに関しては価格もそこまで高くないので、本格的にzoom等のWebセミナーをメインで運営しようと考えている方に関してはおすすめできる機材となっている。
通信も安定しているし、ちゃんと日本の代理店があるので対応もしっかりしてくれるから、業務用機材として申し分のない。
次回はUBRーLTEのステータス確認や設定の変更について解説しようと思う。
こちらもCHECK
-
【Peplink UBRーLTE 設定編】SIMカードのステータス確認
前回UBRーLTEの導入までを記事にしたけど今回はUBRーLTEの管理画面の見方や設定方法を記載していこうと思う。 Pep ...
続きを見る