みんな選定にかなり時間を費やすであろう配信用カメラ。
これまで多くのWeb講演会を行ってきたけど、
配信する内容によっては安価なカメラで運用してもいいという結論にたどり着いた。
実際にWeb講演会用カメラとして使用しているのは
Panasonic「HC-V360MS」というビデオカメラ。
Panasonic デジタルハイビジョン ビデオカメラ HC-V360MS-K
リンク先の価格を見てもらえばわかると思うけど、ビデオカメラの中ではかなり安い。
すでに生産完了しているから今後は中古しか出回らないけど、、
安い機種を使っていて大丈夫かって思うかもしれないけど、
意外とクレームなく運用し続けている。たぶん1000%くらい回収している。冗談抜きで
この記事でWeb講演会でどんなカメラ性能が必要なのか確認していってほしい。
目次
実際の配信システム
基本的に僕たちはすべて定点カメラで配信現場は運用していて、
各講演者や座長席の前にカメラ三脚を置いている。
ちなみカメラ三脚はVelbon M47を使っている。
システム的には下のような感じで行うことが多い。
イベントや式典で動きのある内容の場合、業務用カメラやリモートカメラを設営するのだけど、
大半の講演会や学会は上記のシステムで運用している感じ。
エンドユーザーに提供している金額は
民生カメラ+三脚 ¥25,000-(税抜)
業務用カメラ+三脚 ¥35,000-(税抜)
民生カメラ高すぎる設定だから真似しないほうがいいよ。
Web講演会でビデオカメラに求められる条件
実際に何台かビデオカメラを所有していて、
現場で使ううえで必要な条件もなんとなくわかってきた。
下に箇条書きであげてみる。
・HDMI出力可能
・解像度がフルハイビジョン以上、というか1080p30フレームでればOK
・HDMI出力画面にステータスアイコンが出ない
・ある程度ズームできる機種
・オートフォーカスがそれなりの性能
・内蔵マイクの音声がOFFにできる
上記の条件をクリアすれば、なんでもいい所ではある。
ビデオカメラはかなりの種類があるから。
製品仕様
これといって目立った特徴はないんだけど一応記載しておく。
主な仕様 | 詳細 |
出力解像度 | 1080p又は1080i |
映像出力 | mini HDMI |
動画時画素数 | 220万 |
F値 | F1.8~F4.2 |
内蔵メモリ | 16GB |
記録方式 | mp4 |
内蔵バッテリー | 1時間ほど |
購入価格はショップによって値段が大きく変わるけどAmazonで3万円弱で購入できるかな。
国内メーカーで数あるビデオカメラの中ではかなり安い部類に入る。
実際に配信現場で使用している感想
安物を本番で使用して大丈夫なのかと思うけど、
2年近く使ってきたけど、目立ったトラブルはないし、クライアントから画質等のクレームもない。
ぶっちゃけzoom等のオンラインツール経由になるから画質も音質も落ちる。
さらに僕たちの現場で収録は行わないから、画質やビットレート、画素数や映像センサーのスペックは低くてもOK。
正直な所、V360MSはハンディカメラとしては性能がかなり低い。
どこが悪いのかは下に記載するけど、一眼レフやミラーレスカメラなどには足元にも及ばないし、
暗所ではブロックノイズが多くなるし、ホワイトバランスもなんか変。
なにかの間違いでYouTube等の動画配信サービスに使おうなんて思わない方がいい。
YouTube配信するなら、もっと高価で性能いい機種を購入するべき。
棲み分けって大事だから後悔しないようにカメラは選ぼう。
配信現場でのカメラ設置位置やV360MSの設定
僕たちが配信現場どのようにカメラの仕込みをしているか記載していこうと思う。
定点カメラとして使用している為、講演者や座長からは2m弱くらいの所にHC-V360MSが配置される。
カメラのズームも一番引きの状態で上記のような感じで収めている。
だいだいWeb講演会の場合は、明るい場所で行うことが多いから
・ホワイトバランスはプリセットの「蛍光灯 1」か「オート」
・フォーカスはオート
・ISOもオート
・Panasonic独自のインテリジェントオート(iA)は人物に設定
こんな感じでカメラ設定している。
ホワイトバランスについて
ホワイトバランスに関してはオートだと暖色の照明だとかなり黄色になるから注意。
かといって蛍光灯のプリセットにしてても青白くなるからカスタムしてもいいかもね。
現場では細かく合わせている時間はないから、オートか蛍光灯1にしている感じ。
オートフォーカスについて
オートフォーカスは以外と優秀。
人が変わってもいつの間にか合わしてくれているし、かなりズームした状態でも動作は変わらない。
インテリジェントオートも人物にしているので、
人物の顔を認識して自動で合わせてくれる。
この辺はかなり使い勝手がいい印象
HC-V360MSの良い点
画質や画素数についていいところは正直なところない。
でも軽量でコンパクトだから機材量の削減もできるし、三脚取り付け時も安定する。
あとは電源がDCコネクタだけど、アダプタ部がUSB出力の為、10Wくらいのモバイルバッテリーから充電できたりもする。
それくらいしか正直な所、いいところがない、、、
HC-V360MSの悪い点
内蔵マイクがOFFにできない
民生カメラだからしょうがないのだけど、内蔵カメラで集音している音声をOFFにできない。
基本的にHDMIスイッチャーを使うからHDMI音声は個別で切れるけど
細かい所で支障が出てくるときがあるから、内蔵マイクはOFFにできるようにしてほしかった。
録画を回すとHDMI出力が切れる
民生カメラ特有の録画を回すと外部出力が切れる仕様。
V360MSで収録回すことはありえないので、悪い点ではないかもしれないけど。
内部センサーの性能が悪い
値段相応だからしょうがないけど、舞台照明等の光量が高い明かりが講演者にあたっていると白飛びする。
あと暗い場所になると画質が荒くなるし、ISOを上げても改善できない。
基本は会議室の蛍光灯の明かりでWebセミナーを行うからまれなケースではある。
たまにハイブリット形式でホテルの大宴会場で配信する場合は、照明も入る場合が多いからその際は別のカメラにした方がいいと思う。
SONYのFDR-AX60等のハイグレードなハンディカメラにしたほうがどの現場でも対応できるとは思うけど12万円くらいするから予算と相談といった感じだ。
まとめ
カメラに関しては配信のメインとなる機材だけど、
闇雲にハイスペックなものを購入するのではなく、
配信するソフトや内容によって決めて行くべき。
僕たちの場合はzoomウェビナー等を使用したWeb講演会のオペレーションなので、
カメラの性能は高くなくていい。収録もしないことも大きな要因。
このオンラインイベント環境がいつまで続くかわからないから、
機材選定は慎重にしていこう。
少しでも僕たちの経験が見てくれている人の参考になれば嬉しいかな。