本日Rolandから HDMIスイッチャー V-8HDのVer.2.0のファームウェアの配布があった。
Roland V-8HDは¥30万弱で 購入できる
HDMI 8入力3出力ができるコストパフォーマンスの良いHDMIスイッチャー。
ただ音声面での自由度が少ないのでハイブリット現場では機材が別途音響機材が多数必要だった。
今回のバージョンアップで何が変わったのか記事にしつつ、
どのように僕たちがV-8HDを使用しているか見て言ってもらったら嬉しいかな
目次 (クリックで移動できます)
Roland V-8HDとは
少し前でもローランドの フラッグシップモデル 配信スイッチャー V-160HDの記事を書いたけども、
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参考【Roland V-160HD発表】配信現場用最強スイッチャーの予感
先程、Roland社から新製品の発表があった。 「V-160HD」だ。 詳しくはコチラ もともと僕たちはV-8HDを配信現場の映像スイッ ...
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ラインナップ上はV-160HDの下位機種に当たるV-8HD
Roland V-8HD HD VIDEO SWITCHER
https://proav.roland.com/jp/products/v-8hd/
ただV-160HDが税込¥80万円に対して、
V-8HDは税込¥30万円でお釣りがくる。
当然高額な分、V-160HDの方が機能的には圧倒的に上。
1台あれば、USB キャプチャーから画面合成などいろいろなことができるし、
スイッチャー を階層も組まなくてよくなる。
ただ非常に高額なので予算がないけど、
ちゃんとした切換器が欲しいと言う人にはV-8HDがオススメができる機種だと思う。
僕たちも現場で使っているので動作は保証する。
Vー8HDの軽い製品仕様
HDMI入力 | 8 | インプット7.8のみスケーラー搭載 |
HDMI出力 | 3 | PROGRAM、PREVIEW、MULTIVIEWS各設定可能 |
レイヤー合成 | 3 | P in P × 2、DSK× 1 |
オーディオ入力 | 1 (RCA) | DELAY、イコライザー各調整可能 |
HDMIオーディオ入力 | 8 (ステレオ) | DELAY、イコライザー各調整可能 |
オーディオ出力 | 1 (RCA) | |
Aux 音声出力 | 音声出力に割り当て可能 | |
制御用USB出力 | 1 | iPadリモートソフト用、USB 2.0 type B |
Stillイメージ(静止画キャプチャ) | 8 | |
Ver.2.0のアップデート内容
アップデートファイルは下のリンクからダウンロード
バージョン2.0の内容
[ Ver.2.00 ] 2021/10
iPad 専用コントロール・アプリ「 V-8HD Remote 」の Ver.2.0.0 に対応しました。
(V-8HD システム・プログラム Ver.2.00 は、V-8HD Remote Ver.2.0.0 未満との組み合わせでは正しく動作しません。AppStore より最新版へアップデートしてご利用ください。)
- マクロ機能、およびシーケンサー機能を追加しました。
- 透過情報(アルファ)付き png 画像の読み込み、および透過情報を用いた DSK の合成に対応しました。
- 複数の映像入力を用いた外部キーによる DSK の合成に対応しました。
- システムフレームレートに 23.98Hz、24Hz、25Hz、29.97Hz、30Hz を追加しました。
(システムフォーマットが 1080p の場合のみ選択可能です) - PRESET MEMORY の内容のみを USB メモリに保存/読み込みする機能を追加しました。
機能改善
- オーディオ出力の AUX に、各 HDMI 入力の音声を個別に出力できるよう変更しました。
- オーディオ出力の AUX に送る音声にエフェクトをかける設定を、より詳細に設定できるよう変更しました。
DRY / PRE FADER / POST FADER から選択できます。 - プリセットメモリーの読み込み時に AUX チャンネルの選択を読み込まない設定を追加しました。
- 静止画読み込み時やキャプチャー時に内部メモリーへの保存を行わないオプションを追加しました。
内部メモリーへの保存を OFF にすると保存時に音が途切れることがなくなり、短時間で静止画を読み込むことができます。 - 静止画を一括で消去する機能を追加しました。
STILL IMAGE メニューの DELETE STILL IMAGE で、選択肢「ALL」を選択して実行すると、すべての静止画を消去できます。 - 拡張子「.jpeg」の画像を読めるように変更しました。
- 非対応の USB メモリの場合でも対応形式にフォーマットできるように変更しました。
- USER SW ASSIGN や CTL/EXP の ASSIGN を CATEGORY 毎に選択できるよう変更しました。
- Effects Transition Sync 時の映像切り替えをより自然に行えるよう変更しました。
- TEST PATTERN を一定速度で動かせるよう変更しました。
- 工場出荷時やファクトリーリセット時、静止画やプリセットメモリーのサンプルデータが読み込まれた状態になるよう変更しました。
- メニュー表示のサイズを調整しました。
不具合修正
以下の不具合を修正しました。
- スケーラ入力で映像を縮小した際、わずかに映像がぼやける。
- RESTORE ALL SETTINGS でシステムフォーマットが変化した際、静止画が崩れて表示されることがある。
- OUTPUT FADEでSTILL OUTPUT をアサインした場合、アサインを切り替えても出力が追従しない。
- その他、軽微な不具合。
Roland PRO A/Vサポートページより引用
更新の内容はこんな感じ。
赤字で記載しているのが今回の目玉となる内容だと思う。
配信現場での使用用途
HDMI 8入力と言うこともあって映像入力が多い配信現場で、
主力として使用しているスイッチャー。
キャプチャーボードは下のようなものを使用している。
昨日Rolandから新製品とアプリケーションの発表があった。 配信 兼 カメラスイッチャー「V-02HD mkⅡ」 &nb ... 続きを見る
参考【Roland新製品発表】V-02HD mkⅡとAeroCaster Switcher!優秀な機材とアプリの予感!
ただ欠点として、音声周りの自由度が低くて、音声については別途ミキサーを組んでいることが多い。
というのも下のシステム図を見て欲しいんだけど
ハイブリット現場の場合は、
会場にお客さんがいるので会場のスピーカー音声を鳴らさないといけない。
さらに配信先にも映像と音声を送らないといけない。
今までのバージョンのV-8HDだと
マスター出力とは別にAUX音声出力はあるのだけど、AUXに出力に送れる音声の自由度が非常に低かった。
画像(V-8HD Remote) のようにHDMI音声のみをAUXに送るか、オーディオインの音声のみを送るかの2択しかなかった。
これでもなんとかハイブリット現場で音声のやり取りはできるのだけど、
今までは、何故かHDMI音声だけAUXに送る場合
HDMI経由で入ってきている音声はプリフェーダーでAUXに送られる。
メモ
・プリとは 調整フェーダーのレベル関係なく入力されてきたそのままのレベルで出力される
・ポストは調整フェーダーのレベルが反映された レベルで出力される(調整フェーダーが0の場合、AUXには音声がいかない)
それならカメラ側で音声をカットすればいいんじゃないの?って思うだろうけど
下のようなエントリー 〜 ミドルクラスの民生カメラの場合、カメラ内蔵マイクの音声をカットすることができないことが多い。
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なのでカメラに入ってきている音声がHDMI経由でAUX出力に行ってしまって、
音声のループが発生するということが度々、現場で起こった。
だからハイブリット現場で 講演者のスライドやタイトルスライドに音声がある場合は別途音響ミキサーを組んで、
パソコンから3.5mm端子(ヘッドホン端子)でアナログで音声を抜いてミキサーに入れて会場とV-8HDに音声を送るってことをしていた。
これをしてしまうと機材量もも多くなるし、
現場での見る箇所も多くなってしまうので非常に大変だし、 デメリットしかない。
現場で一番オススメな構成としては、V-8HDで講演スライドの音声等をHDMIまとめて
V-8HDのAUX音声出力からPCスライド音声を会場スピーカーと、
HDMI 出力に音声をエンベッドした状態でキャプチャーボードに送る
っていうシステムが1番楽。
でも今までのV-8HDバージョンだとできない。
バージョン2.0でハイブリット配信にも対応(システムを解説)
ここからはバージョン2.0で、ハイブリット配信にも対応 できるようになった理由を解説していこうと思う。
まず、下の画像なんだけどV-8HDと一緒にアップデートが入ったV-8HD remoteソフトの画面
少し画面の配置が変わっている。
一番右にオーディオやマクロ、stillイメージのアイコンが追加された
オーディオアイコンを押してオーディオフェーダーをの画面を呼び出してみる。
最初はAUTOになってるのでMANUALに変更しよう。
MANUALに切り替えるとアップデートの内容に書いてあるように個別にAUX出力に音声を出力できるようになり、
かつレベルの調整もできるようになったので、 民生カメラ本体で音声がカットできない場合に、
V-8HD側で音声のONとオフができるようになった。
これができるようになったことで、
下のシステムズのように
V-8HDからHDMI経由でスライドの音声を抜くことにできるので、
例えばホテルやイベント会場の音響さんにミキサー等の音響機材を頼む場合、
わざわざパソコン用の音声ラインを何本も引いてもらわなくて済むし、
クライアントに音声ラインの料金をわざわざ追加をしてもらわなくて済むので非常にストレスがなく現場が進められる。
まとめ(配信用途では神アップデート)
配信現場でV-8HDを使っていて、音声周りが自由度がなくてストレスが溜まっていた。
でも今回のアップデートでウェブ視聴者だけの場合はもちろん、
会場にお客さんがいるハイブリット配信にも幅広く対応できるようになり、
より配信で使いやすくなったってと感じる。
最近のRolandは 映像切替や合成・編集機能だけでなく配信にも対応できる、
ハードやソフトウェアを開発してくれている。
新現場でできることが増えるっていうのはほんとに助かるし、
クライアントにも喜んでもらえるので非常にありがたい。
今後 ローランドの製品ソフトに期待!!