配信機材

【配信の音ズレ】リップシンクとは(重要!)

 

配信を外部業者に依頼せずに

自分たちで行うことも多くなったと思う。

配信のクオリティを上げるポイントとして

映像と音声の音ズレが挙げられる。

 

zoom配信をやっていて演者の口元と配信されている音声が

ズレていると気にする人にとってはストレスになる。

音ズレが起こっている際、どのように対処すればいいか記事にしていこうと思う。

ポイント

外部音響機材を入れている前提なので

パソコンだけで配信する場合は対応できない

 

 

リップシンクとは

 

まずリップシンクという用語についてだけど

文字通り演者の話している口元と配信音声を合わせることを指す。

 

テレビを見てたらリポーターの口元と

テレビで流れている音声がズレているなんてことがたまにある。

このような場合リップシンクが取れていない。

 

なぜ音ズレが発生するのか

 

なんで音ズレが発生するのかというと

基本的な考えとして音声信号のほうが伝送が早い。

長距離伝送する場合、映像信号が投影機器に到達して音声と一緒に流れる際、

なにも手を加えないと数フレーム映像が遅く再生されることがほとんど。

 

配信でも同じように、音声の方がデータが軽いため、

音声の方が早く視聴者に届くと覚えておこう。

 

zoom、Webexなど手軽に大人数に向けて配信できる媒体が増えたため、

知識がないまま配信をしていると音ズレしている映像・音声が

視聴者に配信されてしまう。

配信のクオリティを上げるには下で記載する処理が必要になる。

 

音ズレ(リップシンク)を合わせるには

 

音ズレを直すにはディレイを掛ける必要がある。

ディレイ(Delay)とは音声信号を原音から遅らせる処理のこと。

 

音楽をやっている人ならギターのエフェクターで

ディレイがあることを知っていると思う。

 

ギターで使うディレイに関してはフィードバック(繰り返し処理)を使って

サステインや残響感を出してギターソロやアルペジオの際に印象付けを行う。

 

ただ配信やテレビで使うディレイに関してはフィードバックは使わず、

原音を少しだけ(1〜3フレーム)遅らせる処理をしていることが多い。

スイッチャー1台につき1フレーム(0.03sec)映像が遅れると考えよう

 

規模の大きい配信案件には配信スイッチャー必須

 

規模が大きな配信現場の場合、配信パソコンやエンコーダーの前段に

配信スイッチャーを用意するほうがいい。

下のような感じ。

というのも会場のスクリーンOUTや収録している映像スイッチャーで

ディレイ処理をかけてしまうと収録している映像の音声が少し遅れてしまう。

 

予算のある配信案件の場合はできるだけ配信スイッチャーを用意するようにしよう。

客入れ中に配信音声だけミュートにしたり、

ボリューム調整したり

臨機応変に対応できるようになる

 

ディレイ処理できる映像機器

 

Blackmagic Design ATEM miniシリーズ

 

実はATEM miniシリーズもディレイ処理をすることができる。

本体のフロントパネルからでは設定ができないので注意が必要だ。

ATEM Software Controlというソフトから設定ができる。

別途、制御用パソコンが必要

ATEM Television Studio HDなどは音声のディレイ処理ができないので

改めてATEM miniの優秀ということを認識させられる。

 

Roland V-8HD

 

 

このブログでも紹介しているRoland V-8HD。

参考Roland V-8HD Ver 2.0 発表!!ハイブリット現場での音声が使いやすく!!

  本日Rolandから HDMIスイッチャー V-8HDのVer.2.0のファームウェアの配布があった。 Roland V-8HDは¥30 ...

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音声面の処理も優秀で、各AUDIO IN・AUX OUTに関してはディレイをかけることができる。

外部音響ミキサーからの入力にディレイをかけてリップシンクを

合わせることができる為、シビアな配信でも音ズレなく配信が可能だ。

 

Roland V-02HD mk Ⅱ

 

本ブログでも紹介しているRoland V02HD mk Ⅱ

参考【V02HD mk Ⅱ】使用レビュー!数ヶ月使ってわかったこと

  今回はタイトルの通りなのだけど、 2021年9月に発売された Roland V02HD mk Ⅱを数ヶ月現場で使用して感じたことを記事に ...

続きを見る

V02HD mk Ⅱ もHDMI入力音声・音声入力にディレイ処理を行うことができる。

 

 

ディレイ処理可能な音響ミキサー

 

基本的にディレイ処理をかけれる音響ミキサーは

デジタルミキサーなことが多い。

 

 

業務用デジタルミキサーは高額なものが多い。

購入するには敷居が高いし使い方も難しい。

 

TASCAM Model 12

その中で唯一出力にディレイ処理ができる機種がある。

以下のTASCAM Model 12というミキサーだ。

以下の記事リンクでも紹介しているけど、

参考【音響機材】配信で使える音響ミキサーを紹介!

  今回は音響ミキサーについて記事にしていこうと思う。 マイクが多くなってくるとチャンネル数の多い音響ミキサーが必要になってくる。 &nbs ...

続きを見る

業界では有名なプロオーディオメーカーなので

品質・性能ともに文句のつけようがない。

 

 

ディレイをかけれる出力はMAINとUSB出力だけに

限定されてしまうけど、

GROUP OUTなど出力が多いので

配信出力はMAIN OUT

会場出力はGROUP OUT

という感じで柔軟に割り当てることができる。

非常に優秀なミキサーだ。

 

安価なDSP

 

DSPとはなんぞやって話だけどデジタル・シグナル・プロセッサーの略。

ディレイ処理単体で機能するものは存在しなくて、

コンプレッサーやイコライザーなど、他の処理もマルチでこなせる機種がほとんどだ。

 

 

高額になりがちなDSPだけど比較的安価で購入できるのが

BEHRINGER DEQ2496

XLR インプット・アウトレット搭載で多数のシグナル処理ができる。

プロオーディオメーカーなので品質も安心できる。

 

上位機種になると

dbx DriveRack 2が候補に上がってくる。

 

ただ高額になってくるので本格的なPAをする以外の人は

上記のBEHRINGER DEQ2496で十分だと思う。

 

まとめ 配信の音ズレはネット回線だけではない

 

配信案件の数をこなしてくると音ズレのこともそうだけど、

配信品質を高くしたいという気持ちも出てくると思う。

 

配信だからといってネット回線ですべてが決まるわけではない

映像・音声機器の設定や機能も大事になってくる。

参考【zoomウェビナー】キャプチャーボードや配信スイッチャーを使う際の注意点

  最近、現場で遭遇したことを記事にしてみる。 タイトルのようにキャプチャーボード経由で 映像スイッチャーの映像をパソコンに取り込んでいた際 ...

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参考【配信用語】マイナスワンについて。機材の設定と用語解説

  配信オペレートをしていると タイトルのような用語を耳することがあると思う。 今回は配信音声をオペレートする際に 理解して起きたい 「マイ ...

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業界の人ならすぐにわかることも一般業界の方だと

何をすればいいかわからないと思うから

上記の機材設定記事含め、参考にしてもらえればと思う。

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灰の人

関西在住のアラサーのサラリーマン。イベントの支流になりつつある配信業務を日々行っています。 「現場で得た知識を共有したい」と思ってブログを立ち上げました。 これから配信業務に携わる方の手助けになれるよう日々勉強中

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