いまや数多く存在するHDMIスプリッター。
安価なものも多く入手しやすくなったけど、
数が多すぎてどれを買ったらいいのか悩むかもしれない。
今回は実際に業務でも使えているHDMIスプリッターを紹介していこうと思う。
目次(クリックで移動できます)
配信でHDMIスプリッターに求める状況
まずは配信現場で使うにあたり、どんな条件が必要か記載してみる。
- 音声エンベットがちゃんとできるか
- EDID認識がしっかりしているか
- 1080p、720p、480pなど各解像度に対応しているか
- できればHDCP解除ができる機種
Kanaan UHD 1×4 HDMI 2.0 Splitter
もしかしたらメーカー名は聞いたことがあるかもだけど
Kanaanの1入力4分配できるHDMIスプリッター。
実際に使っていて思うのだけど、接続機器がEDIDをしっかり認識してくれるところだと思う。
メモ
EDIDとは
デジタル接続(HDMIなど)を行った際に接続機器同士が最適な解像度やリフレッシュレートで相互認識する機能
EDID A/B切り替えという機能がついているのだけど、
EDID Aにすると1CHの出力解像度にすべての出力を合わせる
EDID Bにすると1CH以外の出力解像度を接続機器の一番低い解像度に合わせる。
基本的にはEDID Aで使用するのだけど、1080pで分配する分にはなんら問題なく使用できている。
音声エンベットも問題なくできているので、分配器としては優秀な部類に入ると思う。
ポイント
パソコンOS上でのEDID認識は「HDMI Splitter」と表記される
安価なデジタル機種にありがちなEDID表記だけど映像・音声の伝送は問題ない。
商品レビューでは4K解像度で分配がうまくできない等書いてあるけど、
配信に関しては1080pで配信することが多いのであまり気にならない。
安価なHDMIスプリッターはHDCP解除に使ったりするのだけど、
この機種はHDCP解除できないことが多い。
ゲーム配信などの用途に使うのではなく、
HDMIスイッチャーやカメラ分配のDMI分配機として使用するようにしよう。
単価も安い部類だからメイン分配機の予備機として1台持っているといいかも。
GREEN HOUSE HDMIスプリッター
2分配の機種になるけど、よく現場で使用する分配器。
注意してほしいのが音声エンベットできるのは出力1のみとなる。
出力2の方は音声が来ないから収録で使用する場合は注意しよう。
さらに1080pしか分配できないらしく、720pや480pなどの低解像度は映像出力されないから注意。
WUXGAなどのパソコン解像度も分配できないから注意しよう。
民生DVD・Blu-rayプレイヤーをHDMI接続する際におすすめ
DVD・Blu-rayプレイヤーの民生機のHDMI出力にはHDCPがかかっていて
HDMIスイッチャーまで映像が来ないときが多い。
このような場合、スイッチャーとプレイヤーの間にこのスプリッターを噛ませば、
HDCPを解除できるので映像がスイッチャーに表示される。
RolandのスイッチャーにはHDCPを有効にできる機能があるけど、
HDCPを有効にするとカメラ映像を入力しているチャンネルに不具合が生じることがある。
現場ではスイッチャーのHDCP機能は使わず、
上記のようにスプリッターを間に噛まして映像を入力している。
DVD再生がある場合は、予備で持っておこう。
メモ
余談だけど、Nintendo SwitchやPS4などをテレビ以外のモニター表示させる場合、
HDCP解除してくれるからちゃんとモニターやスイッチャーに入力できる。
ゲーム実況する人にはちょうどいいかもしれない。
IMAGENICS CRO-HD13
業務用メーカーのHDMI分配機。
プロ用だから当然高額になるけど、それに見合った性能をしている。
業務用機種だけあってかなり高性能。
パソコン解像度も分配できるし、全チャンネル音声エンベット可能、EDIDも接続機種に合わせて設定可能。
デメリットがあるとすれば金額が高額といった点のみ。
予算に余裕があれば候補に入れよう。
BlackMagic Desgin SDI Disrtibution
HDMI分配器ではないけど、業務用伝送規格として使用する
3G/HD-SDIの分配機。
変換しないといけないけど、2万強と入手しやすい金額。
性能も全く問題ないので検討候補に入れるといいかな。
SDI伝送とはなんぞやって人に簡単に解説する。
SDI伝送はプロの現場では必須で使用する伝送規格。
カメラ信号に関してはほとんどSDI伝送になる。
コネクタはBNCとなるのでケーブルのスペックを満たしていれば
古い設備の内部配線でも高画質で伝送が可能だ。5C 75Ωケーブルで最大70mまで。
SDIをHDMIに戻す機器も必要。
双方向で変換できる機種も1万円未満で購入可能
メモ
BlackMagic DesginのコンバーターはUSB type Cで給電できる。
5V 2Aで給電するアダプタとUSB type CケーブルがあればパワーサプライなしのモデルでもOK。
正直100均のアダプタ、ケーブルでも動作するからかなり使いやすい。
パソコンはHDMIファイバーやHDBaseT伝送のほうがいいけど
業務用のスイッチャーの出力はSDI出力がついていることが多く、
汎用性も高い伝送規格となっている。
とくにBlackMagic Desginのコンバーターや分配機は高性能だけど
手の届く価格とかなりコストパフォーマンスがいい。
1台ずつ所有していると必ず役に立つと思う。
メルカリやオークションなどでIDK HDMI分配機を落札するのもあり
中古品になるけど、メルカリやオークションでHDMI分配機を購入するのも手段のひとつ。
IDK
VAC-5002HDMI-A
VAC-5002HDMI-S
このあたりは性能もよくてたまに出品されているし、そこまで高くないからおすすめ。
出品されていたら状態をみて購入するのもありかな。